放送禁止歌 | 羊雲

放送禁止歌

またも羊姫の推薦で、森 達也著 『放送禁止歌』 を読んでみました。

下ネタかと思ってたのですが大間違いでした。最初の先入観で、そう思ってしまった自分が、あまりにも情けない…。もう、悔やんでも悔やみきれない。

紹介されている歌は、まぁ、下ネタから始まって、所謂、公序良俗に反するもの、政治批判、社会風刺などから、最後は部落問題にまで著者は光をあてます。歌そのものよりも背景や、その意味についての考察が深く、読み応えのある一冊でした。差別問題にも触れているので、節度と覚悟が必要な大人の本でした。

また、この本の冒頭の章はドキュメンタリー番組化された事があるらしく、なんか…、言われてみれば、見たような気がする感じが…。

放送禁止歌というのは事実上存在しておらず、要注意歌謡曲というガイドラインが決められており、放送する、しないの判断は放送局に委ねられている。放送禁止歌と決めつけ、思考する事を放棄し、短絡的に「放送しない」と決めているのは放送局だ。というメディアの思考停止に対しての問題提起がテーマでした。

思考停止。

仕事をしていると、いくらでもあるように感じます。誰が決めたか、なんでそうなったかが分からないルール。慣習で皆、そうしているから、自分もそれに従うような事。どう考えても面倒くさくて、やりがいの無い事なのに、さも、その事に意味がある様にやっていて、「なんか意味あるんですか?」と聞くと「いや…」と口ごもる。

そんな事はいくらでもある様に思うのです。「ちゃんと考える事、これ大切」と言いますがぁ、なんか実際考えられないっスヨ。とりあえず私の仕事って、プログラムがメインなんです。兎に角書いて動くものが出来ないと…、しかも〆切はいっつもキツイので、考えてる余裕なんて無いッス。とりあえず、決められてる通りに、言われた事こなしますよ。

これが思考停止という状態なのだなぁ、と思いまた反省。少し自己嫌悪にさせられた本でした。